この恋、国家機密なんですか!?


「ええと、こいつが昔篠田の下で働いていたっていうのは話しましたよね」

「あ、はい……」


そういえばそうだった。


「麻耶が篠田と歩いていたのは、敵があそこに現れるのではないかという情報を手に入れた篠田に、カップルを装って潜入してくれと頼まれたからなんです」


カップルを装うって……。

そうか、単品でいると、敵に見られたときに彼が『篠田宗一郎』だと、すぐに気づかれてしまう危険性があったから……。


「様子を見るだけだって聞いてたんですけど、予想外の事態になってしまって」


麻耶ちゃんはぐったりと疲れた顔をしていた。


「俺に内緒で外出したりするから、こんなことになるんだ」


高浜さんは笑顔だけど、ほんのり黒いオーラが漂っていた。

どうやら、麻耶ちゃんが高浜さんに内緒で宗一郎さんに協力したのが、気に入らないみたい。

……高浜さんも、実は束縛系?


「うええん、だって、言ったら許してくれないと思って……。私だってたまには、刺激がほしかったんだもん」

「バカ!警察の業務を甘く見るな!刺激がほしいなら、俺にそう言えよ!そうすれば色々と……」


< 187 / 214 >

この作品をシェア

pagetop