この恋、国家機密なんですか!?
それでも、私は。
「私は……それでも私は、宗一郎さんのそばにいたいです」
自分の決意を伝える。
宗一郎さんは、それを聞くと……。
一瞬だけ、泣き笑いのような表情を浮かべた。
だけどすぐに、左腕で顔を隠してしまう。
「……まだ眠いみたいだ。寝かせてくれるか」
「はい……」
人の気持ちを聞くだけ聞いて、これからどうするのかは、言ってくれない。
なんて意地悪な人なんだろう。
不満は尽きないけど、今は……詩織さんのことを思い出したりして、弱ってるんだよね。
「また、来ます」
「こなくていい。明日から、お互いに事情聴取で忙しいだろうから」
「…………」
まさか、また姿を消すつもりなのかな。
じっとにらむと、視線を感じたのか宗一郎さんがそっと顔を隠した手をどかす。
真っ黒な瞳に射抜かれて、どきりとした。
「退院の日が決まったら、連絡する。そうしたら、来てくれるか?一緒に行ってほしいところがある」
思いがけない申し出。
びっくりしたけど、私はうなずく。
「でも、どこへ?」
「それは、当日話す」
「また……」