この恋、国家機密なんですか!?
おにぎりを買って、人の少ない池のほとりに移動した。
それを食べ終わると、高浜さんが口を開く。
「ここまで不審人物は見あたりませんでした。しかし、大変なお仕事ですね。お客さんの誰かがあたなたのファンからストーカーになったとしたら、容疑者が多すぎる」
「そんな、お客様が容疑者だなんて」
たまにセクハラしてくるジジイや連絡先を聞いてくる人もいるけど、相手にしたのは宗一郎さんだけ。
あとはうまくかわしてきたはずなんだけどなぁ……。
「それにしても、たかがストーカーで警察の方がつきそってくれるとは思いませんでした」
私は話題を変える。
「そうですね。本来なら、あちらがあなたに接触してくるなどの被害がなければ、警察は動けませんね」
「じゃあどうして、高浜さんたちは?」
私が乗り出すと、高浜さんは困ったように笑った。
「俺から篠田のことを聞き出そうとしても、無駄ですよ。話さないように言われてますから」
「え……」
「本人から聞くべきことは、本人から聞いてください。俺や大西のことならお教えしますから」
ぐう……聞いても教えてくれないんだってば。
優しそうな高浜さんなら、話の流れで色々うっかり話してくれるかもと思ったのに(失礼)。
そんなに甘くないみたい。