この恋、国家機密なんですか!?
私がしょんぼりしたのがわかったのか、高浜さんが優しく言う。
「唯さん、俺たちは普通の警察官じゃないんですよ」
「え?」
突然何?普通の警察官じゃないって?
高浜さんは周りを気にするようなしぐさで、そっと耳打ちをした。
「俺たちは、SPなんです」
……SP?
って、あの、映画とかドラマでやってたSP!?
スペシャルじゃなくて、えすぴい!
「ええっ!?」
「あはは、ビックリですか?ご存知かもしれませんが、俺たちは政府要人や、重要事件の目撃者の警護が仕事です。一般の方を警護することはほとんどありません」
「な、なんでそんな方たちが、私の警護を?」
「……俺と篠田が同期の腐れ縁だからです」
高浜さんは、笑顔を崩さない。
「あなたが見ている篠田がどんな人物かはわかりませんが、俺が知っているあいつは、決して他人に頭を下げたりしませんでした。いつも高慢で、人を見下した態度で……」
「…………」
高浜さん、それ私の宗一郎さんに持つ印象と大して変わりません……。
「そんなあいつが、初めて俺に頭を下げたんです。『唯を頼む』って。電話でしたけど、多分頭を下げてたのではないかと」
宗一郎さんが……。
とくん、と胸が小さな音を立てた。