この恋、国家機密なんですか!?
「しかしまさか、妻子持ちだと思われていたとは」
宗一郎さんが苦笑する。
「だって……宗一郎さん、何も話してくれないから」
「……まあ、それはそうだがな……。しかし、今回は唯に潔白を証明する手段を、考えてきた」
宗一郎さんは穏やかな笑顔から一転、いつもの悪魔な笑顔に早変わり。
「正月休みをとって、お前のそばにいようと思う」
「……え?」
そりゃあ、そうしてくれれば「他に家族がいるんじゃないか」っていう容疑は薄くなるけど……。
お正月くらい自分の家に帰るよね、普通。
「無理しなくても……それに私、添乗があるし」
お正月から暇なジジババのためのツアーのアサインが入っていたはず。
私はアサイン表を取り出す。
しかしそれは、宗一郎さんに奪われてしまった。
「家庭の事情があるため、休みを取れるように言っておいた。それで不当解雇するようなら、警察が黙っていないと」
「うぇっ、国家権力使ったの!?」
そんな……それって、職権乱用じゃないの?
「お前の派遣会社は、典型的なブラック企業だからな。他のことに目をつぶっててやるんだから、一人の添乗員の休みくらい、どうってことないさ」