この恋、国家機密なんですか!?
そんな若い夫婦の姿を見て、思い出す。
そうだ、宗一郎さんは、自分が独身であって、他の相手がいないことを証明するために、お正月旅行を提案してくれたんだった。
わざわざ嫌いな人ごみにまで連れてきてくれたんだもん……。
信じていいんだよね?
お賽銭箱の前にたどり着いた時には、二人とももみくちゃの汗だくになっていた。
それでもやっとここまで来たんだ。
ちゃんとお参りしよう。
二礼、二拍手、一礼。
上賀茂神社の神様……東京からきた、伊藤唯です。
今年も、家族全員病気も事故もしないように、どうぞ見守っていてください。
そして……。
宗一郎さんと、ずっと一緒にいられますように!!
この願いを聞き入れてくれなかったら……。
聞き入れてくれなかったら、ええと……。
今度仕事で来たとき、入り口の鳥居に、『バーカ』って書いてやるから!
神様にプレッシャーをかけていると、宗一郎さんに「そろそろ限界だぞ」と、横に流された。