愛を知る小鳥
「ちょうど一部屋空いてるし、そこをお前の部屋にすればいい。お前が嫌がるようなこともしない」

その優しさに美羽の心は激しく揺れる。

「まぁもちろん俺がお前と一緒にいたいっていうのもあるけどな。お前が嫌がるようなことは絶対にしないと誓う。だがお前が嫌だと思ってないと判断できたときには俺は遠慮なく攻めさせてもらう」

「なっ…!」

悪びれることもなく堂々と宣言する潤に、美羽の顔は一瞬で真っ赤になった。

「一生女にこんなこと言うことはないと思ってたんだけどな。俺って本当はこんな暑苦しい奴だったのかって、俺が一番驚いてるよ」

ハハッと照れくさそうに笑うその姿に、胸がきゅうっと締め付けられる。

「この家に人を上げたのもお前が初めてだし、これからもお前以外にはいない。お前が色々と不安になって怖いのも当然だし、すぐにそれをどうこうしろとも思っていない。だからお前を危険から守るためにも、俺の気持ちに向き合うためにも、ここで暮らすことを受け入れてくれないか?」

「…」

この彼の姿を目の前にして、断れる人などいるのだろうか?
それほど彼の言葉が、目が、全身が真剣な想いを伝えてくる。

私は彼のことを嫌がっていない。
…いや、もうほとんど好きになっているのだろう。
でもそこに踏み込んでいくだけの勇気はまだもてない。その一歩を踏み出せるのか、それともやはり無理なのか。それを確かめるためにも彼と一緒にいることは意味があることなのではないか。

美羽はしばらく目を閉じた後、ゆっくり瞼を上げて正面に座る潤を仰ぎ見た。



「…よろしくお願いします」




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