愛を知る小鳥
「…進学?」
高校3年になり、進みたい道も全てが決まってから、美羽は初めて母親に自分の進路について打ち明けた。勝手なことをするなと激怒されるかもしれない。だが自分の本気を知って欲しい。覚悟を決めた上でのことで、引くつもりは全くなかった。
「奨学金制度を利用するつもりなの。そこなら取りたい資格に有利なカリキュラムを組めるし、やりがいのあるところなの。卒業したら一人暮らしするし、生活費もアルバイトしながら自分で何とかする。お母さんには絶対迷惑をかけないから。だから…お願いします! 進学させてください!」
思い切り頭を下げて懇願した。母はその姿を何も言わず黙ってしばらく見ていた。その沈黙が美羽にとってはとてつもなく怖かった。
…だが、母から返ってきたのは予想外の一言だった。
「…そう。あなたが決めたことなら何も言うことはないわ。頑張りなさい」
「…えっ?」
一瞬母の言った言葉が理解できなかった。あれだけ反対されることを覚悟していたのだ。それなのに反対するどころか頑張れと言ってくれた。その時の美羽にとって、ただそれだけのことが信じられないほど、心を震わせるほど嬉しかった。
「…はい! 頑張ります」
それから美羽は必死で勉強した。バイトも同じように続けて生活費をコツコツ貯めていった。少しも気の休まる暇はないほど多忙だったが、人生の中でこれほどやる気に満ちあふれていたことはなかったと思えるほど、前向きな気持ちでいっぱいだった。
「やっぱり美羽ちゃん呑み込み早いね。俺が教えるまでもないよ」
「いえ、まだまだです」
進路が決まってからというもの、少ない空き時間を利用して図書館で園田に勉強を教えてもらうようになっていた。T大生の彼から学ぶことは多く、美羽にとってはとても貴重でかけがえのない時間となっていた。
兄弟がいたらこんな感じなのだろうか…?
美羽は園田のことを、本当の兄のように慕っていた。
高校3年になり、進みたい道も全てが決まってから、美羽は初めて母親に自分の進路について打ち明けた。勝手なことをするなと激怒されるかもしれない。だが自分の本気を知って欲しい。覚悟を決めた上でのことで、引くつもりは全くなかった。
「奨学金制度を利用するつもりなの。そこなら取りたい資格に有利なカリキュラムを組めるし、やりがいのあるところなの。卒業したら一人暮らしするし、生活費もアルバイトしながら自分で何とかする。お母さんには絶対迷惑をかけないから。だから…お願いします! 進学させてください!」
思い切り頭を下げて懇願した。母はその姿を何も言わず黙ってしばらく見ていた。その沈黙が美羽にとってはとてつもなく怖かった。
…だが、母から返ってきたのは予想外の一言だった。
「…そう。あなたが決めたことなら何も言うことはないわ。頑張りなさい」
「…えっ?」
一瞬母の言った言葉が理解できなかった。あれだけ反対されることを覚悟していたのだ。それなのに反対するどころか頑張れと言ってくれた。その時の美羽にとって、ただそれだけのことが信じられないほど、心を震わせるほど嬉しかった。
「…はい! 頑張ります」
それから美羽は必死で勉強した。バイトも同じように続けて生活費をコツコツ貯めていった。少しも気の休まる暇はないほど多忙だったが、人生の中でこれほどやる気に満ちあふれていたことはなかったと思えるほど、前向きな気持ちでいっぱいだった。
「やっぱり美羽ちゃん呑み込み早いね。俺が教えるまでもないよ」
「いえ、まだまだです」
進路が決まってからというもの、少ない空き時間を利用して図書館で園田に勉強を教えてもらうようになっていた。T大生の彼から学ぶことは多く、美羽にとってはとても貴重でかけがえのない時間となっていた。
兄弟がいたらこんな感じなのだろうか…?
美羽は園田のことを、本当の兄のように慕っていた。