愛を知る小鳥
「香月さん」
ふいに名前を呼ばれて振り返ると、全く考えてもいなかった人物がそこに立っていた。
「あなたは…」
その女性は真っ赤な美しいドレスを翻しながらヒール音を鳴らしながら近づいてくる。
「ご無沙汰しています。遠野薫です。覚えてらっしゃいますか?」
「…はい」
忘れるはずがない。彼女は初めてパーティに参加したときに美羽を攻撃してきた張本人だ。あの時も赤いネイルとルージュを身に纏っていた。今日もあの時と同じだ。
「あの時は大変失礼致しました。カッとなってとんでもないことをしてしまったとずっと悔いておりました。私の身内が今回の事業に携わっていて、何とかあなたに会って謝罪をしたいと頼み込んで参加させていただいたんです」
「…そうなんですか」
今日の薫は言葉通りこの前とは随分雰囲気が違って見える。あの時のような攻撃的な色は感じられず、強ばっていた体からほんの少しだけ力が抜けた。
「あの時は本当に申し訳ありませんでした」
謝罪と共に深々と頭を下げる薫に、美羽は慌てて駆け寄る。
「あ、あのっ、もう気にしていませんから。どうか顔を上げてください!」
「…本当ですか?」
ゆっくり顔を上げてこちらの顔色を伺っている。
「はい。だからもうお気になさらないでください」
「…良かった! ずっと謝らなければと気になっていたんです」
安堵したように息を吐いた彼女は悪い人には見えなかった。元々彼とお付き合いのあった女性だ。そんなに悪い人ではないのかもしれない。内心複雑ながらも美羽はそう感じていた。
「あの…それで香月さんにちょっとお話したいことがあるんです」
「…え?」
「…潤のことで」
ふいに名前を呼ばれて振り返ると、全く考えてもいなかった人物がそこに立っていた。
「あなたは…」
その女性は真っ赤な美しいドレスを翻しながらヒール音を鳴らしながら近づいてくる。
「ご無沙汰しています。遠野薫です。覚えてらっしゃいますか?」
「…はい」
忘れるはずがない。彼女は初めてパーティに参加したときに美羽を攻撃してきた張本人だ。あの時も赤いネイルとルージュを身に纏っていた。今日もあの時と同じだ。
「あの時は大変失礼致しました。カッとなってとんでもないことをしてしまったとずっと悔いておりました。私の身内が今回の事業に携わっていて、何とかあなたに会って謝罪をしたいと頼み込んで参加させていただいたんです」
「…そうなんですか」
今日の薫は言葉通りこの前とは随分雰囲気が違って見える。あの時のような攻撃的な色は感じられず、強ばっていた体からほんの少しだけ力が抜けた。
「あの時は本当に申し訳ありませんでした」
謝罪と共に深々と頭を下げる薫に、美羽は慌てて駆け寄る。
「あ、あのっ、もう気にしていませんから。どうか顔を上げてください!」
「…本当ですか?」
ゆっくり顔を上げてこちらの顔色を伺っている。
「はい。だからもうお気になさらないでください」
「…良かった! ずっと謝らなければと気になっていたんです」
安堵したように息を吐いた彼女は悪い人には見えなかった。元々彼とお付き合いのあった女性だ。そんなに悪い人ではないのかもしれない。内心複雑ながらも美羽はそう感じていた。
「あの…それで香月さんにちょっとお話したいことがあるんです」
「…え?」
「…潤のことで」