愛を知る小鳥
「美羽、返事を聞かせてくれ」

慈愛に満ちた瞳が私を見つめる。
美羽は、その瞳にまるで宇宙を見た気がした。



ずっとずっと暗闇の中にいた。
ずっとずっと孤独だった。
でもそれでいいと思ってた。
一生そうやって一人で生きていくんだって。
寂しくなんかなかったんだ。

でも貴方に出会って、
愛されることを知り、愛することを知り、
一人になる怖さを知った。
共にいることの喜びを知った。

そこで初めて気付いたんだ。
本当は誰かに愛して欲しいと望んでいたこと、
誰かを愛したいと思っていたことを。
鳥籠に閉じ込められたように、自分の心を封印していたってことを。

貴方が諦めずにその扉を開いてくれたから、
貴方がいつも共にいてくれるから、
私は怯えることなくようやく外の世界へ飛び立てる。



閉じた目をゆっくりと開くと、指輪の輝きに負けないほど綺麗な涙が一粒零れ落ちた。



「…はい。私の人生をかけて、精一杯あなたを幸せにします」



それはこれまでで一番幸福に満ち溢れた笑顔だった。
潤は何も言わずにその体を胸の中に閉じ込めた。

「美羽、二人で幸せになろう」

「…はいっ!」

ぴたりと寄り添った場所から伝わる体温、鼓動、全てが一つになっていく。
溶けていくような感覚に溺れながら、2人は何度も何度も唇を重ね合った。
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