愛を知る小鳥
潤は顎に手をあててしばらく考え込んでいるようだったが、しばらくしてふいに問いかけてきた。


「4月にうちとの業務提携を持ちかけてきた企業は?」

「えっ? え…と、おそらくMOカンパニーだったのではないかと記憶しているのですが…すみません、確信はもてません」

「…驚いたな。君の処理能力は想像以上なようだ。総務部長が出し惜しみするのもわかるな」

「…え?」

どういう意味だろう。

「聞いてないか? 俺が君の異動を打診した時に露骨に残念そうな顔をしたんだ。どうやら君に対する期待は相当大きかったようだな」


そうだったんだ…。
異動の話をしたときはそんな雰囲気はなかったのに。
自分が認めてもらえたようで素直に嬉しい。

「君がそこまでできるのならば、予定にはなかったが一週間後の企業パーティーに一緒に出て欲しい。うちがこれから広げようと思っている分野の企業が多数参加する。その場でのコネクションをできるだけ多く作りたい。君にも戦力として参加して欲しい」

「パーティー…ですか?」

「あまり難しく考える必要はない。食事をしながらお互いにコネクションを作る場だ。女性である君がいた方が和んだ状態で話が出来るし、何よりも君の能力を買ってのことだ」

「…わ、かりました」


その返事を聞いた潤はふっと笑うと、早くお昼を取るように促して出ていった。
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