愛を知る小鳥
結婚して10年ともなれば、当然のようにそれ相応のことはしてきている。
常に受け身だった美羽も、月日と共にそれなりの経験値を積んでいる…はずなのだが。
それでもボタンを外す仕草すら未だたどたどしいのは、もう彼女の性分故と言うしかないだろう。
そうしてそんな彼女だからこそ、10年という月日が流れても尚、色褪せずに彼女に惹きつけらて止まないのだということを潤はわかっていた。
それはきっと、これから先どれほど歳を重ねようと変わらないということも。
「……次は?」
射貫くようにじっと見つめられたまま、ようやく全てを外し終えてほっとしたのも束の間、目の前の美しい顔がほんのりいじわるに微笑む。
「次は何をしてくれるの? 可愛い俺の奥さん」
腰に回された手にぐっと力が篭もる。
からかいに滲んだ隠しきれない本音に、美羽の体の奥がズクンと熱を帯びた。
いつまで経ってもこういうことに慣れない自分を情けなく思う。
それでも、そんな自分ごと愛してくれる、この人だからこそ。