愛を知る小鳥
シフォンのワンピースがめくれて露わになった太股を慌てて隠そうとしているが、それを阻止するかのように自分の方へと美羽の体ごと抱き寄せる。
互いの胸が密着しあい、顔と顔の距離もほんの数センチ程度だ。
「お前はどこまで俺を骨抜きにすれば気が済むんだ?」
「…えっ?」
咎めるような言葉とは裏腹に、その響きはどこまでも甘い。
「毎日毎日、毎分毎秒、お前と過ごすごとに惚れ直す。10年も経てば少しは落ち着くかと思ってたが…呆れるくらいにその頻度は増すばかりだ。どう責任とってくれる?」
「せ、責任って…」
至極真面目な顔をしながらも、とんでもない砂を吐いていることをこの人は自覚しているんだろうか。
「少しでも責任を感じてるなら、俺のシャツのボタンを外して」
「…えっ?!」
なんとも滅茶苦茶な言い分だが、その目は否やを許さない色に染まっている。
…もちろん、最初からそんなつもりなどないのだけれど。
コクンと小さく唾液を呑み込むと、美羽はゆっくりと、ほんのり震える手を目の前の真っ白なシャツへと伸ばした。