愛を知る小鳥
それからなんだかんだと会は盛り上がり、あかねと成田はすっかり出来上がっているようだった。美羽は始まってからグラス一杯のカクテルをやっと飲んだか飲まないか程度しか口にしておらず、ほぼ素面だ。ふと横にいる潤に目を向けてみると、それなりのペースで飲んではいるものの、変わらない様子で酔っ払っているようには全く見えない。飲んでもあまり変化の出ないタイプらしい。

「そういえば香月さん、さっきの異性のタイプの話はどうなったの~?」

すっかり酔っ払った成田があの時流れたと思っていたことを口にした。潤が入ってきたことでちょうど話が中断されてホッとしていたのに今更蒸し返すなんて、と内心面倒臭く思った。

「え、えーと、タイプとか特にないんです…」

というか全く興味がないんです・・・とはさすがに言えず。

「えー、全くないってことはないでしょ?」

「え? うーん、そう言われても本当になくて…」

「見た目とか性格とかさー、何か一つくらいあるでしょう。正直普段の香月さんからそういう話ができる雰囲気って全くないからちょっと興味あるんだよね」

「見た目…性格…」

そんなの良くても悪くてもどっちでもいいんです。だって興味ないから…と言いたい。
返答に困った様子の美羽を見て今度はあかねが口を開いた。

「じゃあ専務みたいなタイプはどう?」

「えっ!」

「中身はこの際とりあえず置いといて、相当なイケメンであることに違いはないわよ。やっぱりいい男だな~って思うことくらいはあるんじゃない?」

「おい、中身はともかくってどういうことだ」

思ってもみない変化球を投げられ、困って潤の方にちらりと目線をやると、じっと自分を見つめる瞳と思いっきり目が合ってしまった。
< 55 / 328 >

この作品をシェア

pagetop