愛を知る小鳥
…チーン


20階にある重役フロアへと初めて降り立つ。何故自分はこんな場違いな所にいるのだろうかと、今にも踵を返して降りたばかりのエレベーターに乗ってしまいたい衝動に駆られつつ、何とか自分を奮い立たせ専務室を目指した。


「香月美羽さんですね?」

専務室を目前にしたところでふと女性に声をかけられた。

「は、はい…」

見るとスラリとした見目麗しい30歳程の女性が専務室のドアの前にやってきた。

「あぁ、やはり。お待ちしておりました。
わたくし、秘書課を総括しております御堂あかねと申します。
以後どうぞお見知りおきを。」

「は、はい…」

「今日は専務にお呼ばれになられたのですよね。
専務は中でお待ちです。どうぞこちらへお入り下さい。」

「…」




「専務、香月さんがいらっしゃいました。」


「…あぁ、入ってもらえ。」
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