もとカレとの、終わり方

愛してるって、ずっと言わせて

「唯、今日は久々にデートしない?」

「え?うん。」


私、唯野 唯。

ただの ゆいって言います。

何で名字と下の名前が同じ漢字なんだ?って疑問を持つ人がいるけど・・・私自身、納得していません。

ただ、お母さんが生まれたら「唯」って名前にしたいって思っていたらしくって、たまたまお父さんの名字が「唯野」だったから重なっちゃったの、ってことは聞いてる。

・・・にしても、変でしょ。

ずっと嫌だった。

これは本人しか分からないようなことだけど、実にしっくりこない。

うーん・・・逆かな、しっくりしすぎてるのかな?

まあ、どっちにしても「唯野さん」であるお父さんと結婚する時に配慮してくれてもよかったんじゃないかなあって思う。

例えば、由衣とか結とか優衣とか維とかね。

まあ、もう22歳になるもんで、今更気にしたりもしませんが。

しかし、就活の時も聞かれましたよ。

大学3年生だった去年、私は本命であるテレビ局に就職が決まった。

まあ、ある意味この名前で決まったところはあるけど・・・。

最終面接である役員面接の時、名前について聞かれた私は

「自分でも変な名前だって、思います。でも、”最初”は常に変に感じるんじゃないか

なって思うんです。でも、時代のニーズに合わせた”最初”を常に生み出していかなけ

ればいけないと、特にこの業界に対して思っています。私は、番組という意味でも、番

組を通してという意味でも、是非”最初”を生み出す側として一生仕事をしていきたい

と思っています。よろしくお願いします!」


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