蒼夏の刹那
蒼と手を繋いで木々が立ち並ぶ歩道を歩く。
「どうして私が病院にいる事知ってたの?」
「渚(なぎさ)が教えてくれた。今頃、あの坂道にいると思うわ」
「……そっか」
渚――速水渚(はやみなぎさ)
蒼の親友で、私が思い出せなかった人。
「……どうして蒼は、まだこの世界にいるの?」
「うーん……よくわからんけど、声がな、聞こえた」
「声?」
「せや。――夏の終わりまで、この世界に留めてやるから、願いを果たせって言われてな……気がついたら、あの坂道にいつの間にかいたんや」
蒼の言葉に私は何となく、自分の考えがあながち外れてなかったのだと知る。
科学的根拠も何もないけど、確かに蒼はちゃんとここにいる。
今なら、神様の存在を信じられそうな気がする。
「どうして私が病院にいる事知ってたの?」
「渚(なぎさ)が教えてくれた。今頃、あの坂道にいると思うわ」
「……そっか」
渚――速水渚(はやみなぎさ)
蒼の親友で、私が思い出せなかった人。
「……どうして蒼は、まだこの世界にいるの?」
「うーん……よくわからんけど、声がな、聞こえた」
「声?」
「せや。――夏の終わりまで、この世界に留めてやるから、願いを果たせって言われてな……気がついたら、あの坂道にいつの間にかいたんや」
蒼の言葉に私は何となく、自分の考えがあながち外れてなかったのだと知る。
科学的根拠も何もないけど、確かに蒼はちゃんとここにいる。
今なら、神様の存在を信じられそうな気がする。