蒼夏の刹那
蒼が教えてくれた事。



私と速水くんの記憶がそのままなのは、蒼と深く関係しているから――蒼が唯一強く望んだこと。



蒼がいる間、その間は生前と変わらない日常が流れ、その許された時間が終われば――蒼はこの世界から消える。



蒼は最後にこう言った。



「最後は笑ってな。もう、あんな哀しい顔……見たないねん」



残り三日。






私と蒼が一緒にいられる、許された時間。






< 39 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop