蒼夏の刹那
蒼の体が蒼い光の粒子に変わってゆく。



「藍花」



突然蒼が振り返り、私の唇に優しいキスをした。



「またな」



最後に私が見たのは、眩しいくらいの笑顔だった。



泣かないように、ずっと我慢してたのに私は大声をあげて泣いてしまった。



「いやだ……いやだよ、そう……そう、いかないでっ」



あんなに何時間も一緒にいて、なのに、別れは一瞬でやってくる。



神様が許してくれた時間は、優しくて残酷な時間だった。



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