翼~開け放たれたドア~
飛鳥は口をパクパクとさせ、目を見開いて春輝を凝視していたが、次の瞬間には笑顔を浮かべて

「うわっ…!」

「おっかえりー!!!」

春輝にギュッと抱きついて大声をあげた。

そのとたん、胸がなぜかズキッと痛んだ。

なんだ?これ…。

春輝のほうをジッとみる。

春輝は最初こそ驚いていたが、なんか嬉しそうな顔して飛鳥にされるがままになっている。

「飛鳥、止めろ」

「えっ!?」

気がつけば、自分でも驚くほど不機嫌な声がでていた。

「こえー!!!」

「春輝、こい」

「…?」

キョトンとして、それからこっちに歩いてきた春輝の腕を引っ張り、後ろから抱きしめた。

すると、なんだかすげえ安心できた。

春輝はストンと俺の足の間に座り、バイクのときのように足をまたプラプラさせている。


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