カラダ探し~第ニ夜~
「こんなところで殺さないよ……たぶんね。それに、理由をはっきりさせておきたいから」


誰かを失いたくなくて、明日が来てほしくないというのなら、今の私ならその気持ちは理解できる。


もしも……カラダを見つけて「昨日」が変わったとして、真冬は死の運命から逃れる事ができるのかな?


考えても分からないし、そうなってみなければ分からないから。


留美子と一緒に向かうのは玄関じゃない。


袴田がいるはずの四階に行くために、エレベーターへと向かった。


「本当に行くの?もしもふたりとも殺されちゃったら、今日の『カラダ探し』で皆に迷惑がかかるよ?」


まだ真冬の死を悲しんでいる様子で、その声は震えている。


確かに、私と留美子が殺されて夜の学校を動き回れば、残りふたつのカラダを探す事が難しくなってしまう。


でも、袴田がどんな状況に置かれているのかが気になる。


私は妹を失う事になったのに、袴田は何をしているの?


現状を変えようと努力もせずに、人を……高広を恨むだけで。
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