カラダ探し~第ニ夜~
でも、私はその言葉にますます怒りを覚えて、袴田を押し退けて廊下に出た。


「袴田……あんたが明日が来てほしくない理由は何?言いなよ!!誰が入院してるの!?」


「……結子がしゃべったのか!?しゃべるなって言っておいたのによぉ……。テメェらがカラダを集めれば集めるほど、妹のあゆみが死にそうになってんだよ!!ふざけんじゃねぇよ!!」


私の胸ぐらをつかんで、今にも殴りかかりそうな袴田を、私はにらみつけていた。


「皆……『呪い』を解こうと頑張ってるのに、あんたは人をうらんでるだけなの!?あんたこそふざけるんじゃないわよ!!」


袴田の言葉に同情はできなかった。


大切な人が死にかけてる……それは悲しい事だろうけど、それを恨んで人を殺す袴田が許せなかったから。


「テメェに……俺の何が分かるんだコラァ!!」


そう叫び、右腕を振り上げた袴田。


「武司!!やめなよ!美雪は……さっき妹が死んだばかりなんだよ!」


エレベーターの中で、ドアを押さえながら留美子が叫んだ。


その言葉で袴田の動きが止まり、私をジッと見つめる。
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