カラダ探し~第ニ夜~
「じゃあ、どうやったら『呪い』が解けるんだよ……それに、『呪い』を解いて今より悪くなったらって、テメェは考えねぇのかよ!そうなったらもう希望なんてねぇんだぞ!」


確かにその通りだけど……希望をなくしたら、動く事ができなくなる。


私も袴田も、妹を助けたいという気持ちは同じはずなのに、考え方が違っていた。


「相島、テメェは妹を助けるために、世界を壊すつもりか?とんでもねぇエゴイストじゃねぇかよ」


袴田に分かりやすく説明するために、いろいろ省略したのがまずかったかな。


でも、可能性だけを考えると、間違っているわけじゃない。


それに、袴田が私の事をエゴイストと言える立場じゃないと思う。


明日が来ないように私達の邪魔をして、人まで殺した袴田には。


「袴田はあゆみちゃんを失いたくないんでしょ?だったら、私の気持ちも高広の気持ちも分かるんじゃないの?」


「ハッ!お前ならともかく、高広の事なんか知るか!!あいつは明日香を生き返らせようとしてるんだろうが!その代償が俺の妹の苦しみか!?マジでふざけんじゃねぇよ!!」
< 460 / 607 >

この作品をシェア

pagetop