カラダ探し~第ニ夜~
話は平行線……明日香を生き返らせようとすれば、あゆみちゃんは苦しみ、真冬はまた死ぬかもしれない。


カラダが集まれば、もっとひどい事が起こるかもしれないけれど。


それでも、私達が「カラダ探し」を終わらせなければ、永遠に繰り返す同じ日から抜け出せないのだ。


「明日香を助けたいって気持ちが分からないわけじゃないでしょ!?武司があゆみちゃんを助けたいって気持ちと同じじゃん!」


留美子が叫んだ言葉に、袴田は何も返事をしなかった。


結局、袴田を説得する事はできなかった。


もともと文句を言うつもりだけだったから、説得できないのは仕方ないとしても、袴田を責める事は私にはできない。


妹を助けたいという気持ちは同じだから。


真冬は、あの時間にあの場所にいなければ、死なないかもしれない。


でも、あゆみちゃんは違う。


「昨日」が変化しても、その時点で運命は定められているのだから。


翔太と留美子は、「呪い」を解く方法が見つかるまで待ってくれるだろうけど、高広はカラダを見つけたらすぐに棺桶に納めるだろう。
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