腹黒王子に囚われて
 
無理やりあたしの顔を振り向かせた瑛太は、
あたしの合意を聞かずにそのままキスをした。


きっと聞かなくても分かったんだと思う。


今キスしても
怒らないと……。



「……っ……」



ベッドの上で、
淫らな水音を漏らしながらキスを重ね


気づけば隣りで抱き合っていた瑛太は、あたしを見下ろす形で覆いかぶさっていた。



「葵……」



そっと頬に手を重ね、まるで愛おしい相手に向けるような声で名前を呼ぶ。




「可愛すぎて、抑えられないんですけど」

「……」




その意味が、いったい何を意図するのかすぐに理解出来て
どうするべきか悩んだ。
 
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