腹黒王子に囚われて
 
「で?それでなんで、いちいち立ち止まるの?」
「……なんでもねぇよ」


突っ込むと、瑛太もハッとして歩き出す。

すぐにあたしの横に並んで、ちらっとあたしの顔を見た。


「何?」
「……あー……やべぇ…」
「何が?」


人の顔を見ては、目を伏せてため息をついてる。


かと思えば、頬を染めたり、眉間に皺をよせたり……。
 
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