ヴァニタス
タタタッと、前の方から足音が聞こえた。

足音に視線を向けると、
「――果南ちゃん!?」

武藤さんだった。

私の顔を見た武藤さんは、
「どうして、泣いてるの…?」

驚いた顔をして私に聞いた。

「まさかあいつが…!?」

首を動かして周りを見回した武藤さんに、
「ち、違います…」

私は首を横に振った。

「警察に捕まっているから、くる訳ないじゃないですか…」

呟くようにそう言った私に、
「ああ、そうだったね。

忘れていたよ…」

武藤さんは呟くように言って、頭をガシガシとかいた。

「すみません…」

私は小さな声で謝ると、立ちあがった。
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