ヴァニタス
「今度こそ、帰ろうか」
そう言った武藤さんに、
「はい」
私は首を縦に振ってうなずいた。
武藤さんは私の隣に並んだ。
「えっ?」
いつもは私の前を歩いているのに。
武藤さんは私の頭の中を読んだと言うように、
「歩くスピードが速過ぎた」
と、笑いながら言った。
「それに果南ちゃんの身に何かが起こった時、いつでもすぐに守れるでしょ?」
「――ッ…」
私の心臓がドキッと鳴った。
また、武藤さんのことを好きになっちゃうじゃない…。
名前を呼んだのに振り向いてもらえなかったことと立ち止まった私に気づいてもらえなかったことがつらくて泣いたことなんて、もう忘れてしまった。
そう言った武藤さんに、
「はい」
私は首を縦に振ってうなずいた。
武藤さんは私の隣に並んだ。
「えっ?」
いつもは私の前を歩いているのに。
武藤さんは私の頭の中を読んだと言うように、
「歩くスピードが速過ぎた」
と、笑いながら言った。
「それに果南ちゃんの身に何かが起こった時、いつでもすぐに守れるでしょ?」
「――ッ…」
私の心臓がドキッと鳴った。
また、武藤さんのことを好きになっちゃうじゃない…。
名前を呼んだのに振り向いてもらえなかったことと立ち止まった私に気づいてもらえなかったことがつらくて泣いたことなんて、もう忘れてしまった。