ヴァニタス
「――なのに…。

なのに、今の僕の人生はめちゃくちゃだ!」

「めちゃくちゃ?

果南ちゃんの人生をめちゃくちゃにした君が一体何を言っているんだ!?」

武藤さんが怒鳴るように悪魔に言い返した。

「君のせいで果南ちゃんは人生がめちゃくちゃになったんだぞ!?

君のせいで家族や友達、今までお世話になった人たちと離れ離れにならないといけなくなった。

いつかはあることかも知れないけど、果南ちゃんはこんな形で彼らと別れたくなかったって泣いていた。

大切な人を君に傷つけられるのが嫌だから、果南ちゃんは自分の命を投げ出そうとしたんだぞ!?」

怒っている武藤さんを見たのは、今日が初めてだった。

私は武藤さんの首に回っている両手をギュッと強くした。
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