ヴァニタス
幸い、悪魔に刺された傷は浅かったため、武藤さんは一命を取り止めた。

だけど武藤さんの病気が再発してしまったため、入院を余儀なくされてしまった。

「まだ生きててよかったよ…」

真っ白な病院のベッドで横になっている武藤さんが呟くように言った。

「そうですね、よかったです」

彼のベッドの横に置いてあるパイプ椅子に腰を下ろしている私は答えた。

あの事件から1週間が経った。

私は毎日武藤さんが入院している病院へお見舞いにきては、面会時間が終わるまで彼のそばにいた。

警察は武藤さんが入院してから3日目に、事情聴取をするために病院を訪ねてきた。
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