ヴァニタス
私は事情聴取にきた警察官に全て話した。

悪魔からストーカーをされていたこと、あの日の詳しい出来事を全て話した。

一方の悪魔は警察に逮捕され、事情聴取を行ったものの、精神に異常をきたしているせいで取調にならない…と、私の事情聴取にきた警察官は愚痴をこぼした。

精神鑑定の結果によっては不起訴になるかも知れないと、警察官は私にそう言うと病院から去って行った。

「不起訴となると、それは悔しい結果だね。

果南ちゃんは被害者なのに、加害者のあいつが罪に問われないなんてね」

武藤さんはやれやれと言うように息を吐いた。

「精神の異常はあいつの演技だって言うことを祈るしかない」

武藤さんは私に向かって手を伸ばすと、ポンと私の頭のうえに手を置いた。
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