ヴァニタス
「あの日の果南ちゃん、とてもかっこよかったよ。

あいつに向かって毅然とした態度で立ち向かっていた果南ちゃん、とてもかっこよかった」

そう言った武藤さんに、
「武藤さんがそばにいて、私を抱きしめてくれたから、私も戦うことができたんです」

私は言った。

「逞しくなったね。

俺がいなくなっても…」

「武藤さん」

何かを言おうとした武藤さんをさえぎるように、私は頭のうえに置いてある武藤さんの手を握った。

武藤さんはフッと笑うと、
「ごめんね、ジョーダンだよ」
と、言った。

「ジョーダンでも言わないでください」

そう言った私に、
「もう言わないよ」

武藤さんが言った。
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