ヴァニタス
丁寧に質問に答えた武藤さんに、
「そうですか…」

父は呟くように返事をした。

「自分でも、いつ死ぬのかわからないんです」

武藤さんが言った。

私は武藤さんの顔を見つめた。

武藤さんは息を吐くと、
「またいつ再発して、もし再発したら次は死んでしまうかも知れない。

毎日がそんな恐怖との戦いです。

だけど、死ぬまでのその時間を果南さんと一緒に過ごしたい。

果南さんと一緒に笑って、果南さんの手料理を食べて…1秒でも多く、果南さんと過ごしたいんです。

そう思うくらい、私は果南さんを心の底から愛しています。

お願いです」

言い終わると、両親に向かって頭を下げた。

「――武藤さん…」

突然土下座をするように頭を下げた武藤さんに、私はどうすればいいのかわからなかった。
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