ヴァニタス
「はい、水」

武藤さんが水が入ったコップを私に差し出してきた。

それを1口飲むと、噛み砕いたりんごと一緒に胃の中に流し込んだ。

「――ううっ…」

流し込んだとたんに、胃の中で不快感を感じた。

私は今口に入れたものを吐かないようにと、手で隠すように口をおおった。

「大丈夫?」

武藤さんが私の顔を覗き込んで聞いてきた。

「はい…」

私は首を縦に振ってうなずいた。

武藤さんは私の額に自分の手を当てた。

「1回、病院に行った方がいいかも知れない」

武藤さんが言った。
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