ヴァニタス
「でも私は、家政婦として武藤さんの家にいる訳で…」

「その主人の命令と言うのはダメかい?」

私の言い分をさえぎるように、武藤さんが言った。

「えっ?」

主人の命令って、
「い、犬か猫じゃあるまいし…」

「そんなつもりで言った訳じゃないんだけどな」

呟くように言い返した私に、武藤さんはクスクスと笑った。

それから、
「眠ったからお腹すいた」
と、武藤さんが言った。

「…はい」

私は首を縦に振ってうなずくと、キッチンへ向かった。

いつものようにご飯を作り始めた。
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