ヴァニタス
急いでスーパーマーケットで何か買ってきて、何か作らなきゃ。

そう思った時、
「――果南?」

私を呼ぶその声に、私の足が止まった。

「――えっ…?」

ウソ、だよね?

私の聞き間違い、だよね?

そうであって欲しいと願いながら、声の方へと視線を向ける。

「探したよ、果南」

口は笑っているけど目は笑っていない、目の前の男。

ドクン…と、私の心臓が鳴る。

「――南部…さん…?」

悪魔、だ。

私を追いかける、悪魔。
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