ヴァニタス
私の言葉をさえぎるように、武藤さんは私の手を握った。

「そんな簡単に、“死”を口に出すな」

痛いくらいに強く握られた、武藤さんの手。

私の手を握っている彼の手は、大きくてゴツゴツとしていた。

「――どうして、どうして武藤さんは、止めたんですか?

私が死ねば、武藤さんも自分を責めることなんてなかったのに…」

「じゃあ、どうして果南ちゃんは死のうと思ったの?

何で死にたいなんて思ったの?」

強い口調で聞き返した武藤さんに、私は口を閉じた。

私たちの間に流れた沈黙を、
「――ごめん…」

先に破ったのは、武藤さんの方からだった。

「――私は…」

私は、口を開いた。
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