スイートナイト
巽は私を椅子に座らせると、テーブルのうえに温かいコーヒーを置いた。

「いきなりきたからビックリしたよ。

何かあったのか?」

巽はそう聞くと、私の向かい側の椅子に腰を下ろした。

「――私ね」

私は口を開くと、
「離婚することにしたの」
と、言った。

「えっ…?」

巽は驚いたと言うような顔で私を見た。

「離婚って…えっ、ちょっと待て。

旦那に俺との関係がバレたって、ことだよな?」

巽は戸惑いながら質問した。
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