スイートナイト
巽が私の前にティッシュの箱を置いた。

「泣いてもいいよ。

俺しかいないから」

「ッ…」

巽に言われ、私はティッシュを取り出すと目に当てた。

「あの人ね…私に、ウソついてた。

あの人は上司にしつこくされたからキャバクラに一緒に行ったとかって言ったけど…」

「うん」

「本当は、私に仕事とウソをついて1人でキャバクラに行ってたんじゃないかと思ったら…」

「静希、もういいよ」

巽の胸が目の前にあった。
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