スイートナイト
「つまり、帝さんの指令ってヤツ?

自分の記録を打ち破った新たな王者の顔を拝んでこいって言う」

「…まあ、そう言うことだね。

あたしもどんな人なのか見たいし。

その代わり帝からは最低でも1人は友達を連れて行けって言う条件を出されたけど」

静香は笑いながら言った。

その様子からだと、夜にヒマだったのは私だけだったらしい。

仕方ない。

「私も楽しみ♪

帝さんの記録を更新したって言う彼の顔が見てみたい!」

センチメンタルな気分を吹き飛ばすように言った私に、
「よーし、絶対に行くぞー!」

静香はマッコリのグラスを高くあげたのだった。

でもこの時は思わなかったんだよね。

これが、私の人生を大きく変える出来事になるなんて――。
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