スイートナイト
…こんなはずじゃ、なかったのにな。

私は息を吐くと、マッコリの入ったグラスに口をつけた。

最後に抱かれたことも思い出せないし、最後にしゃべったことも内容も思い出せない。

本当に、私は優の何なのだろう？

もしかしたら私は彼の妻になったんじゃなくて、家政婦になったのではないだろうか？

「ああ、そうそう！

今から行く店なんだけどね？」

思わずセンチメンタルになってしまった私に静香が思い出したと言うように話を切り出した。

「帝が昔『Seesaw Game』って言うホストクラブに勤めていたことは知ってるでしょ？

最近その店でナンバーワンになったホストが帝の記録を破ったらしくて」

「記録って、売り上げの？」

そう聞いた私に、
「ううん、年齢の。

帝が２４歳でナンバーワンになったのに対し、彼は２２歳でナンバーワンになったんだって」

静香は答えた。
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