スイートナイト
「――離婚してください」

私は言った。

優じゃなくて、巽のそばにいたい。

「…それはできない」

優が答えた。

――これからは静希の言うことをちゃんと聞く

その言葉通り、優は私の言葉に耳を貸すようになった。

私の意見や要望も聞いて、かなえてくれるようになった。

だけど…“離婚”はかなうことができなかった。

「静希が忘れられないのはわかるけど、君はあの男にたぶらかされたうえに騙されていたんだ」

「違う!」

私はうつむいていた顔をあげて否定した。
< 149 / 186 >

この作品をシェア

pagetop