スイートナイト
巽くんと一緒にハンバーガーを食べていた時の方が、幸せを感じることができた。

そう思ってしまった自分に、鶏のから揚げを口に入れた。

巽くんのことは忘れるって決めたじゃない。

今日のことは、久しぶりに好きなものを食べることが嬉しかったから。

嬉しかったから、幸せに思えたんだから。

から揚げを頬張りながら、何度も自分に言い聞かせた。

夕飯を終えると、優はカバンから書類を出すとそれを見ていた。

仕事か…。

洗い物をしながら、私は心の中で呟いた。

早く帰ってきたくらいだから、仕事が終わったのかと思ってたのに。

洗い物を終えると、お風呂にお湯を入れた。
< 58 / 186 >

この作品をシェア

pagetop