スイートナイト
考えれば考えるほど、悲しくなった。

思えば思うほど、泣きたくなった。

仕事ばかりの夫を支えて、好きなものを作って、自分の全てを犠牲にしてきたこの生活を、否定されたような気がした。

欲しいものも、食べたいものも、やりたいことも我慢してきた自分を、傷つけられたような気がした。

優の背中に向かって、言ってやりたかった。

――もう遅いよ!

大きな声で、はっきりと、そう言いたかった。

少し前の私だったら、喜んで優に抱かれていた。

だけど、今は違う。

今さら何なの?

昨日今日と早く帰ってきて、今さら何なの?

もう遅いにも程があるよ。
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