スイートナイト
激しく貪るように、激しく埋めあうように、何度も何度も唇を重ねた。

「――んっ…」

唇を重ねたまま、ベッドに押し倒された。

「――静、希…」

ささやくように、巽くんが私の名前を呼んだ。

「――たつ、み…」

それに答えるように、私も彼の名前を呼んだ。

真っ暗な部屋に響くのは、お互いの呼吸の音だけ。

彼の息が、唇が、舌が、指が…私の傷ついたものを修復してくれた。

心も、プライドも…そして、“女”としての性も、何もかもが癒され、修復されて行く。

彼に抱かれることって、こんなにもいいんだ…。

彼に抱かれることって、こんなにも癒されることなんだ…。

巽くんの全てに感じた。
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