スイートナイト
「詳しいことは…ついてからのお楽しみでいいかな」

「えーっ、何よそれー」

クイズ番組じゃあるまいし、何だその焦らしテクニックは!

「まあまあ…おっ、ついた」

巽の声に顔をあげると、ネオンの看板がキレイな店がそこにあった。

しまった、忘れてた!

もし静香に遭遇してしまったらどうしよう!

もしもの時の言い訳をあれやこれやと考えながら、私は巽と一緒に店内に足を踏み入れた。

「いらっしゃいませ」

私たちを出迎えたのは、かわいい顔立ちの男の子だった。

「ういーっす。

雫ちゃん、久しぶりっす」

巽は男の子――雫ちゃんにあいさつをした。
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