夜明けのコーヒーには 早すぎる
軽くなっていく。例えば、ウオッカ一瓶を六リットルの炭酸飲料で割るとして、合計で約千八百円。四人で割り勘にすれば、一人四百五十円。一人当たり、一・五リットルの酒を四百五十円で呑めることになる。一杯を二百五十ミリリットルから三百ミリリットルぐらいと考えると、一人五、六杯は呑め、一杯当たりの負担は約九十円ということになる。つまり、四人でこの呑み方をすれば、一杯九十円で呑みまくれるという訳だ。勿論、これは一例に過ぎないので過信は出来ないが、単純に人数が多ければ一人当たりの負担は減り、少ない程増える。だから、この時のぼくとヒロコは、基本的に所謂(いわゆる)家呑み中心の生活だったという訳だ。
 という懐事情もあり、三人でヒロコの部屋で呑んでいたのだが、ヒロコの友人のリョウコさんは、少々お酒に弱いらしく、梅酒をグラス半分程呑んだだけで、既に眼がとろんとしていた。
 「ねえ、少し愚痴ってもいい?」
 リョウコさんはヒロコに言った。
 「ん?」ヒロコはグラスから口を離し、「何なに?」少しだけ前のめりになって、炬燵(こたつ)机に肘をついた。
 「彼氏の事なんだけど―」
 「ふーん。喧嘩?」
 「いや、そういう訳じゃないんだけど、ね」
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