夜明けのコーヒーには 早すぎる

市販の鍋の出汁を溶いた卵に入れて、玉子焼きにする。これは、おろし醤油で食するのが美味い。後は色々と炒め物―豚肉、鶏肉、竹輪etc―を炒め、盛り付ければ、肴(さかな)の完成である。因(ちな)みに、最後の種々の炒め物は、葱韮(ねぎにら)と一緒に食すため、軽く塩胡椒を振るだけでいい。
　ぼくが肴(さかな)を盛り付けていると、洗濯を終えたヒロコが、盛り付け終わった肴(さかな)を炬燵机へ運んでくれる。―摘まみ食いをしながら。
　肴(さかな)を全て運び終え、ぼくとヒロコは、梅酒のロックで乾杯した。本当は、直ぐにでも日本酒を呑みたかったのだが、今はまだ冷やしている途中である。
　ぼくは梅酒を一口呑んで、餃子をぱくり。餃子は、葱韮(ねぎにら)で食べる。
　「うん。美味い」
　我ながら、大成功である。
　「やっぱり」ヒロコも餃子をぱくり。「葱韮(ねぎにら)は最高だね」
　「同感です」ぼくは梅酒を呷る。「酒に合う」
　「お見事おみごと」
　ヒロコは頷きながら、肴(さかな)を平らげていく。
　「そういえば」ぼくは自分のグラスに梅酒を注ぐ。「どうして「ロンド」へ来なくなったのですか？」