ここに在らず。
「だって私はあなたの事を…トウマさんの事を知らないんです。あなたがどんな人なのかなんて分からないのに、それなのにあなたをこんなにも頼って、安心して、でもそんなあなたは私が作り上げたもので、だからそれは結局トウマさんではなくて…私はトウマさんではない、私に温もりをくれる相手にそんな想いを抱いているのであって、それって本当はその気持ちをくれるのなら誰でも良かったということで…」
あぁ、なんて勝手なんだろう。
私は勝手で我が儘だ。こんな事、言うべきではないのに…それなのに言わずにはいられない。
「だから、そんな勝手な私に気づいてしまったから、もしかしたらもうあなたは居なくなってしまうのではと思って…そうしたら、それはとっても怖い事だと、考えられないくらい怖い事だと思ったんです…」
「……」
口にして全て出してしまうと、その後に出来た空間は罪悪感で埋め尽くされた。
罪悪感…そう、私は今、悪い事をした。