ここに在らず。


「あの日君に会えたのは偶然だった。君に会いたいと思っていたけど、仕事が溜まってて…ようやく外に出られた時だったんだ。また同じ場所に来たら居るかもしれない、そう思って俺はあの公園に居た。すると…君が、現れた」


そう言うトウマさんはどこか懐かしげで…けれど、次に言葉を紡ぐ前に、ひっそりと眉間を寄せる。


「あの日、君は泣いていた。俺に助けてくれと言ったんだ。そして君は俺に全てを話してくれて、俺を頼ってくれた…たった一度しか会っていない、俺なのに。その時、俺も俺でよくも知らない君の事なのに、君を助けたいと感じたんだ」


そして、彼は言う。「君は俺にとって始めから特別だった」と。

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